ハイランド・パイプに関するお話「パイプのかおり」

第8話(2002/8

ソフトケース“PipersPac”について

 前回が木製ハードケースの話だったので、今回はやはり Canntaireachd No.14 で紹介した“PipersPac”についてのお話ってのは当然の成り行き。そこでも書いたように、最近では確かにハイランド・パイプのソフトケースもいくつか出て来てはいるようですが、なんといっても、この“PipersPac”は素晴らしい。

 パイピング・タイムスに掲載されている PRページの「ダークグリーンの防水コーデュラのアウターシェル,高密度発泡材の中綿,ポーラーフリースのライニングというユニークな3層構造により,最軽量で最強の強さ。ベルクロテープにより簡単にハンドバック,ショルダーバック,バックパックの3通りにできるストラップ。開閉容易なヘビーデューティージッパー。スペアリードなど小物を入れる付きポケット付き。etc.」という謳い文句が実際にどんな具合なのか、パイパー森が実際に使っている様子をご紹介していきましょう。


 まず、外見です。

 ジッパーを閉めた後、2本のベルクロテープ付きのベルトで縛るようになっています。
 容量としては、パイプ1台が余裕で入る大きさがあるので、パイプ以外に何も入れないと、特に上の方はスカスカになります。
 そのような時にはベルトで締め上げれば、中でパイプが暴れるようなことがなくなります。
 通常は、チューナーやらツールケースやら、バグパイプ関係の品々を入れますが、その他に汗を拭くタオルや、時には着替えのTシャツなんかもいれたりすることができます。


 さて、ショルダーバックとして使う場合は…

 左側の写真のように、脇に抱えることもできますし、

 または、右側の写真のように、ゴルフバッグのように(といっても、私はゴルフはやらないので詳しくはしりませんけど…)片方の肩で背負うこともできます。

 どちらにしても、電車の中などでは、殆どこの持ち方になります。 


 そして、回りに十分な空間できたときは、すかさずこのようにバックパックとして背負います。

 電車の車両から出てしまえば駅構内を歩く時などは、どんなに混雑していても、このように背負って移動するのが本人も楽ですし、周りの人々にも迷惑になりません。

 もちろん、野山を歩く時などに最適であることは言うまでもありません。それこそが、この“PipersPac”の真骨頂なのですから。


 ジッパーをオープンしたところ。

 左側がボトムになります。当然ですが、ボトム側にパイプバッグを配置します。

 手前側がヘッドになりますが、そこには、スペアリードなどを入れておくことのできる、ジッパー付きのコンパートメントがあります。この写真の様にリードケース等を入れるのが普通の使い方ですが、電車に長時間乗って移動するときなどは、ここに iPod を入れておくと背負ったままでも、あるいは席に座って“PipersPac”を足の間に抱え込むようにしているときでも、イヤーフォンでピーブロックを聴いていることができます。

 いくら3層構造で外からのショックを吸収するようにできているとは言ってもソフトバッグはソフトバッグ。

 

 ドローンパイプなどはそれなりに頑丈ですから、まあ心配ありませんが、極限まで薄く削り込んであるウッドチャンターは、非常にデリケートな扱いが要求されますので、“PipersPac”を使う場合は、専用のプロテクターに入れます。

 プロテクターはタータンのカバーをしたままのチャンターが入れられる太さのアクリル製チューブ。

 

 片方の端をアクリル円盤を接着して底とし、チャンターを入れた後はゴム製のハードボール(子供の頃遊んだ“スーパーボール”のどでかいやつ)で塞ぎます。

 このアクリルチューブのプロテクターは、本物のチャンター用だけでなく、例のエレクトロニック・プラクティス・チャンター“The Techno-Chanter”用にも作ってあります。

 このようにしておけば、ダメージを恐れること無く、“PipersPac”の中にもイヤーフォンと一緒に気軽に投げ込んで出かけられるのです。


 以上、究極のソフト・バグパイプケース“PipersPac”についてのお話でした。

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