パイパー森の音のある暮らし《2010年》
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2008年11月に書いたように、愛用の iMac のデスクトップには、Ceol Sean などの楽譜を納めたフォルダが常駐されていて、パイピング・タイムスや本などを読んでいて何らかの曲の楽譜を参照したくなったときには、数クリックでその楽譜を表示することができるように設えてあります。
しかし、その一方で、日常的に練習している曲については、Kilberry や Society Book から紙ベースでコピーし(曲によっては、憶えるために解析した構造を色付けした後)、一枚毎にパウチしたものを座右に置き、練習の際にはその内の一枚の楽 譜を取り出しては、膝の上に置いて練習していました。 …で、この週末、ふと思い立ってこれら(真面目に取り組んでいるもの不真面目なものも含めて40曲程度)を全部スキャンし、一つの PDFファイルにまとめ、目次ページからリンクを張ってワンクリックでオープンするように設えました。 いや〜、一挙に便利になりました。 iMac を購入してから一年余り、なんでこれまで思いつかなかったのか? つまりは、すっかり Windows の悪癖に染まっていたようです。 あ〜、もっと早くからこうしておけば良かった。 せいぜい真面目に練習に取り組み、このところ全然増えていないレパートリーを今年は少しでも増やすように努力したいと思います。 もう一つ、マックではオリジナル・アイコンの作成も至って簡単だということについ最近気が付きました。 …で、これまで出来合いのアイコンを適当にあしらっていた、ピーブロックの楽譜集やハイランド・パイプの音源ファイル、そして、このサイトのファイルを納めるフォルダ・アイコンを作ってみました。 ピーブロックの楽譜集用は、ピーブロック・ソサエティーの紋章をあしらったもの、ハイランド・パイプの音源ファイル用はハイランド・パイプの写真、サイト用はサイト・トップページをあしらったものをそれぞれシャドーを付けて立体的に仕上げました。 この作業、実は日頃使っている画像処理ソフト Gimp ではなく、Pages というマックの文章作成ソフトを使いました。なんと、この程度の画像処理は Pages でいとも簡単に出来てしまうのです。もちろん、Gimp(や、Photshop) でも出来るのは分かっていますが、それらよりも数段イージーに出来てしまう。これらの専門の画像処理ソフトは出来る事が多岐に渡りすぎているため、この程 度の簡単なことで済ませたい素人にとっては、その操作がやたら複雑で、そもそも操作しようとする意欲が削がれてしますのですね。 これはもう、ソフトのユーザーインターフェイスに関する根本的な思想の問題だと思います。マックを使っていると、そこら辺のことについてつくづく考えさせられます。 さて、こうして作成したオリジナル・アイコンを実際にフォルダにするのも至って簡単。変更したいフォルダ・アイコンを右クリックや「Control」キー を押しながらクリックして「コンテキストメニュー」を出し、「情報を見る」を選びます。すると、「情報」ウインドウが開くので、左上にある小さなアイコン をクリックして「薄く青く」なるように選択した後、「編集」メニューから「ペースト」コマンドを実行。たったこれだけで、これらのオリジナル・アイコンの フォルダが完成です。 |
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スティーブ・ジョブスが iPad の全容を公にした 2010年1月27日から、およそ10日間が過ぎましたが、未だに興奮が覚めやりません。…というか、実物を手にする日が待ち遠しくて待ち遠しくて、日毎 に益々焦燥感が募ってくる始末。ジタバタしても実際に手に入るのは3月末だと分かっていても、一日に何度も予約受付開始をお知らせするメールをチェックす る日々です。まるで誕生日のプレゼントを待ちわびるガキの様。 でも、そのような興奮状態は世界中どこでも同様なようで、ネットの世界でも iPad に関する話題で大いに盛り上がっています。試しに Google の検索窓に iPad と入れてみれば様々な意見や情報が日々飛び交っている状況が分かるでしょう。 そんな情報をあれこれチェックしていて思わずヤレヤレと思ってしまうのは、例によって例のごとく世の中に真に革新的なモノや人物が登場した時に沸き起こるよくある反応。 一方で、我が意を得たりの意見表明も多々有り、世の中の多くの人が私と同様にこの革新的なツールの登場について否が応でもテンションが上がっている様子が伺えます。 そられの中でも「アラン・ケイのダイナブック構想がいよいよ現実になったと言えるのか?」といった趣旨の考察には「うん、そうだ、そうだ。正にそのとおりだ!」と大変共感を憶えました。(検索窓に「iPad アラン・ケイ」と入れると、その他にも色々とヒットします) さて、世の中の受け止め方なんてのは実はどうでもいいこと。 まずは、インターネットの閲覧やメールのチェック、iTune での音楽鑑賞、Google Earth でのスコットランド空中散歩など、現時点で iMac に向かって行っている行為の多くの部分は、今後 iPad で行うことになるでしょう。 そして今、私が最も楽しみにしているのは、ピーブロック・ソサエティーのサイトのメンバーズ・セクションに於いて、PDF ファイルで提供されている年報やその他のピーブロックに関する貴重な印刷物類を iPad で読むこと。 文字を読むという行為に於いては読む対象物を目から30〜45cmの位置に保つのが最適だと言われますが、現在の iMac
の画面と私の目との距離はおよそ
60cm程有ります。確かにパソコンの画面では文字の大きさを任意に拡大できるので読み取りに困る事は有りませんが、視線の移動コントロールということか
らすると、やはりもう少し手元で読みたいところ。たったそれだけのことで、積極的に読もうとする意欲が薄れてしまうのです。iPad はこういった悩みを一挙にそして完璧に解決してくれることでしょう。
同時に、それらを読むスタイルも劇的に変わるでしょう。 あ〜、iPad のある楽しげなライフスタイルが次から次へと夢想されます。 あ、そうそう、iPad が世の中を変え得ると思える大きな要素の一つとして、その信じられない価格設定がありますね。 ↓この角度からの画像、まるで「2001年宇宙の旅」に登場するあの《モノリス》の様で、iPad がもたらすであろう新しい世界の未来性を示唆しているように思えます。 |
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2010/2/21
(日) iPad が待ちきれずに iPhone を入手しました |
iPad の予約開始アナウンスがなかなか無い中、まるで子供の様に待ちきれずに携帯電話を iPhone に変えました。 元々、我が家はへそ曲がりなので、携帯電話を使い始めた当初から、その当時主流ではなかった J-Phone から始まってその後 Vodafone、そして現在の Softbank という変遷を経ているので、つまりは「機種変更」です。 この春社会人になる息子は一足早く昨年秋に既に iPhone に変えていましたが、その後も私ら(私と連れ合い)はおよそ4年モノの古い機種を使い続けていました。 しかし、iPhone のソフトを搭載した iPad が手元に来る日を待ちわびる気持ちから、一日でも早く、従来のパソコンを超えたその革新的なユーザーインターフェイスを体感したい気持ちが強くなり、いよいよ iPhone を手にする事にしました。ちなみに、仲良く夫婦ともにです…。 まあ、iPhone のことは巷で散々語り尽くされていますし、書店に行けば iPhone を使った暮らしや仕事の効率化を促す本が山積みになっているような昨今の状況ですから、今さら私がどうのこうの言うまでもありません。 ただ、そのような評価や指南本の中でも、語られているように、今回、私が Softbank ショップに出向いて行った行為は、商業的には正に「携帯電話の機種変更」ということではありますが、実際のところこの行為の持つ本当の意味合いは、日々手に持つツールを「単なる携帯電話」から「たまたま携帯電話機能も付いている手のひらサイズのパソコン」へ変更する、というようなことではないかと思います。 手にしてからまだ数日しか経過していない中でも、次々と新たな機能を試す度にこのことを実感する次第。 |
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ギリシャの経済危機に端を発したユーロ安。ポンドもズルズルと下げて久しぶりに130円前後になっています。
…で、いよいよ長年の夢であった“Piping Times”の欠番、Vol.38 / issue No.2(1985年11月号)〜 Vol.43 / issue No.8(1991年5月号)の計67冊をまとめてオーダーしました。〆て134ポンド也。 確か以前チェックした時はバックナンバーの1冊当たりの単価は 2.50ポンドだったのですが、今日注文した時の単価は2.00ポンドに値下がりしていました。さらにラッキー。 まあ、コストパフォーマンスが高かったのも幸いですが、やっとのことで6年間の空白期間が埋められることがなによりです。なんせ、シェーマスが現役時代の“Piping Times”は中身がトコトン濃いですから。 一方で、今週末の28日にはとうとう我が家にあの iPad が届きます。 巷では予約開始から僅か2日後早々に店頭予約が終了し、未だに再開の目処が無いとのこと。オンラインショップでは今でも予約できますが、出荷予定は単に 「6月」という表示になっています。アップルの戦略もあってのことか極端な品薄状態が続いているようですが、我が家では5月10日の予約開始日朝一番、 メールで通知のあった直後の午前6時には、夫婦お揃いで32GB Wi-fi タイプを1台づつオーダーしたので発売日の28日までには確実に届くのです。昨日は、“Piping Times”のバックナンバーを注文するついでに、Amazon で iPad 専用の液晶画面保護フィルムも注文済み。ウッシッシ…。 そんな訳で、もう間もなく始まる iPad の居る生活になり現在の定期購読が切れた暁には、この際“Piping Times”は Web 版のみの購読としようと思っています。今回取り寄せた20世紀の“Piping Times”と対照的に、最近の“Piping Times”は紙の形で残しておきたいような記事が殆ど無いのでそれで十分。もしも、そのような記事が有った場合は、その号だけ取り寄せればすむ事。購読コスト&書棚スペース削減の一石二鳥なり。 本当の意味で20世紀が終了し、新時代たる21世紀が到来した感ありです。 |
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日本円にした 17,000円というのは、さすがにちょっとばかりトラタヌでした。
一冊は軽いとは言え、なんせ67冊も集まればかなりの重量。post & paking になんと 84ポンドも掛かってしまいました。 幸いなことに CoP の会員になって初めてメンバーシップ・ディスカウントとして1冊あたり 5% が差し引かれ(これまでは何だった?って感じですが…)、67冊の代金は 127.30 ポンドでした。つまり、post & packing 代 84ポンドと合わせた総額 212.30 ポンドというのが最終的な CoP への支払い総額。カードからの引き落とし金額を確認するまで正確な額は不明ですが、まあ3万円弱ってところでしょう。 ところが、荷物のかさが大きくて目立ってしまったようで、支出は実はこれだけでは済まなくて、国内の消費税(+地方消費税)として1,500円が徴収されてしまいました。まあ、英国の付加価値税(VAT 17.5%)よりも安いのでこれはなんとも言えませんが…。 それにしても、これでやっとこさっとこ 1977年からの 33年間全ての号(400冊弱)が揃ったという安堵の気持ちが大変大きいです。 ちなみに、届いた 67冊の内3冊については、販売できるバックナンバーが完璧に無くなっているようで、オリジナルの白黒コピーでした。 |
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今年の夏休みには、蓼科の山荘に欠番補充された "Piping Times" を沢山持ち込み、ざっと読み飛ばしながらピーブロック関連の記事を漁っては付箋を付ける作業をしていました。
取り敢えず付箋を付けてリストアップをしようと思っていても、めぼしい記事が見つかると、ついつい読みふけってしまうので、今回の短い夏休み中にはたった 20冊分位しか処理できませんでしたが、それだけでもお宝ザクザクという感じ。昔の "Piping Times" はピーブロック関連記事の宝庫だったことを改めて実感します。 87年12月号には、山根先生が英国人のご友人にダビングして貰ったというビデオに入っていた、BBC TV Scotland のビデオ収録の顛末が Windy Days in Skye というタイトルで7ページにも渡って丁寧にレポートされていました。確かに、多くの演奏風景が強い風の中で撮影されていました。ビデオ収録は 87年11月に行われたとのことです。 ↓の写真は、MacCrimmon Cairn の脇で、"Lament for Patrick Og MacCrimmon" を演奏する Murray Henderson の撮影風景を見守る Gavin Stoddart の後ろ姿。 Gavin Stoddart が "Lament for MacSwan of Roaig" を演奏しているシーンでは、断崖から海辺に直接落下する滝の遠景が印象的したが、↑右ページの写真のタイトルから推して、あの演奏風景が撮影された場所は Talisker Bay だということが判明しました。 |
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アップルがまた素晴らしいインターフェイスを作ってくれました。Magic Mouse だってスゴイのに、今度はデスクトップマシン用ワイヤレス・トラックパッド、Magic Trackpad です。
2つをピッタリと並べて使うことはないと想定されるにも関わらず、ワイヤレス・キーボードと完璧にシンクロしたその秀逸なデザインには心底脱帽! 現在では完全にノートパソコンのデファクト・スタンダードとなったトラック・パッドですが(以前はトラック・ボールってのが主流でした)、実は私はこのツールにはどうしても馴染めませんでした。ですから、マイ・パソコンがノートパソコンの iBook で あった長い間もトラック・パッドを使うことは殆ど無く、常にマウスを愛用していました。正直な所、ワイヤードの時代はその扱いは少々煩わしかったのは事実 ですが、時代が下ってワイヤレス・マウスが出回るようになるとも、もう完璧!といった感じで不自由さは全く感じませんでした。 それでは、マイ・パソコンがデスクトップマシンである今になって何故こんなツールに注目するのか?というと、それはやはり iPhone & iPad で高度に進化したマルチタッチ・テクノロジーの利便性に開眼したから、と言えましょう。 Magic Mouse でもこれまでのマウスに無い動作として2本指でのスワイプ動作や慣性スクロールが極めてお気に入りですが、Magic Trackpad に於いてはそれらに加えて iPhone & iPad でお馴染みのピンチによる表示の拡大&縮小、回転などの操作が可能になります。デフォルトでは見にくい小さな文字が並んだようなサイトに出くわした際に、ピンチするだけで随意に拡大&縮小ができるということは、老眼の身にとっては大変便利なのです。 また、iPhone & iPad と同様のごく平滑なガラス製操作面の全くストレスを感じさせないスムーズな操作フィーリングも離れ難い魅力の一つです。 Magic Mouse の操作面も見た目は同様に平滑ですが、所詮はアクリル製なのでその操作面は指の脂分とそれに付着する汚れ等で徐々にスムーズさを失ってくるので、時たまクロスで拭ってやる煩わしさから抜け出せません。 |
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今週の Pipeline |
今週の Pipeline はニュージーランドのパイピング・シーンを特集。 ニュージーランド出身のピーブロック名手と言えばなんといってもこの人を置いては語れない、というところとでピーブロックは Murray Henderson。 そして、曲は、あ〜、あ〜、な、なんと "Lament for Patrick Og MacCrimmon" です。 私の音源コレクションの中でも最多19個を誇る "Lament for Donald Doughall MacKay" に次ぐ17個めの音源になるこの曲(そう、両方とも Iain Dall MacKay の曲)ですが、何故か Murray Henderson の演奏音源については、1987年に収録されたあの BBC TV Scotland での演奏音源しか存在しませんでした。 Glenfiddich の様子を伝える音源ソースとしては、前身の Grant's チャンピオンシップ時代の 1983年のカセット、Lismor から CD になっている 1991年、そして、25周年に当たる 1996年のコンペティションの音源がリリースされています。1996年の CD には、Gleg Wilson による "Patrick Og" が収録されていて、 Murray Henderson の演奏次ぐお気に入り音源です。 しかし、先週の "Lament for the Laird of Anapool" であれば Jack Lee、"Children" や "MacSwan of Roaig" であれば Gavin Stoddart、"Ronald MacDonald of Morar's" であれば John Burgess、"The Red Speckled Bull" であれば Angus MacColl といった具合に、それぞれの曲にはハマリ役ってのがあることが多いですが、やはり "Patrick Og" であれば Murray Henderson でしょ、って所。 …で、いや〜、期待どおりに素晴らしい演奏です。 Gary West のナレーションにもあるように、パワフルかつ心に染み入る演奏。演奏終了後にわき起こる万来の拍手が、その場に居合わせた聴衆に与えたインパクトの大きさを表しています。 ちなみに、この時のレポートが記載されている 1996年1月号の “Piping Times”を紐解くと、 Murray Henderson はこの曲で Ceol Mor 部門のトップ。オーバーオールでは、 Angus MacColl に継いで2位でした。 シェーマスによるレポートには例によってそれぞれの演奏について簡単なコメントが記されていますが、Murray のこの演奏については、次の通りコメントしています。曰く、 “He finished with a glorious a mach variation, which is mandatory in this tune in view of the history of its composition” う〜ん、そうですね。言われるまでもなく素晴らしく歯切れの良い Crunluath-a-mach バリエイションを堪能あれ…。 ☆ ☆ ☆ さて、一方でこの時のオーバーオール・チャンピオンの Angus MacColl はこの時 "Ronald MacDonald of Morar's Lament" を演奏してピーブロック部門でも2位に入っていますが、その演奏に関するシェーマスのコメントの中の次の一文が印象的でした。曰く、 「この曲を演奏しようとする誰もが直面する問題は、その演奏がどうあっても 1975年の John Burgess の演奏と比較されてしまうことである。」 う〜ん、20年も前の演奏がそれ程までに鮮烈な印象を残しているということ。 |
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