パイパー森の音のある暮らし《2009年1月》
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2009/1/22
(木) “Piping Times” |
昨年末からのドル安&ポンド安が続いていますが、昨日とうとうポンドが一挙に123円台という全体未聞の最安値を記録しました。ピーブロック関係の図書な
どはもう殆ど購入済みなのにも関わらず、「う〜ん、何か買うもの無いかな〜?」と思わずあれこれ思いを巡らせてしまうところが小市民的な浅ましさ。…で、
そこで思い至った事が「“Piping Times”購読期間中の途中抜けているバックナンバーをまとめて購入してしまう」ということでした。
“Piping Times”を1977年10月号から定期購読を始めた私は、“Piping Times”1978年9月号で書いたような理由で1985年からの数年間、定期購読が途切れています。その結果として、書棚を飾る30年以上に渡る“Piping Times”のバックナンバーの中でこの数年間がスポッと抜け落ちていることがいつも気に掛かっています。 かといって、今から25年前のこんなチャチな(おっと失礼!)な雑誌のバックナンバーを入手するなんてことは、普通に考えれば到底不可能なことに思えます。ところが、“Piping Times”1978年10月号で書いたとおり、そこは古いモノをとことん大切にするお国柄、読者が求める限り何十年経過しようとバックナンバーを提供するというのが基本的なスタンスなのです。 そして、この記事からさらに30年が経過した現代では、なんと CoP のオンライン・ショップで 62年前の創刊以来の全ての号のバックナンバーがワンクリックで購入可になっています(もちろん絶版の号はコピーでしょうけど…)。 ちなみに1部当たりの価格は£2.50 ですが、60年分720冊セット=£1,440(1部=£2.00と割安価格!)なんていう凄いまとめ売りもあります(送料がいくらになるのか?恐ろしい)。 手元のバックナンバーで抜けている号は 1985年11月〜1991年5月号の計 67冊なので、67冊×£2.5=£167.5 になりますが、昨日の驚異的なレート(123.53円)で円に換算するとたったの2万円チョイにしかならない…。 |
私はこれまでピーブロック・ソサエティーには入会していませんでした。 …というのも、どうせ入会してもカンファレンスやセミナーに出席できる訳でもないし、一方で、最も欲しい年報は CoP のオンライン・ショップで何不自由無く購入できることだし、「まっ、いっか〜」という感じでした。 しかし、最近になってソサエティーのサイトが目に見えて充実してくるに従い、いずれは遠隔地に居る会員でもメリットを享受できる時代(反対に言えば会員にならないとデメリットを感じる時代)が到来するんだろうな〜、と薄々予感していました。 そして、最近のトップページのアナウンスでいよいよ正にそういう時代になったことを実感しました。曰く…、 If you are not a member, why not join ? The member's area will (eventually) have many sound clips, proceedings of all previous conferences, and articles about piobaireachd. う〜ん、これはこれは、一般人(非会員)のままでは、sound clip もまともに聴けなくなるようだ…。 …ってな訳で、未曾有のポンド安もあり、私はいよいよピーブロック・ソサエティーに入会することにしました。 本日午前中に CoP オンライン・ショップ経由で3年間の会員登録代 £40(1年間の場合は £15)を送金したところ、夕方にはウェルカム・メールが到着。早速、ウェッブサイトでの会員登録を済ませ、メンバー限定ページにアクセスしてみました。 やはりこれは、メリット絶大!ですね。 年報(Proceedings)は1999
年以降のものは全て
PDFファイルとしてサイトにアップされているのでいつでもダウンロード自在ですし、将来的には第1回の1973年以降の全ての年報が
PDF化される予定とのこと。紙ベースの年報は 1冊当たり £10しますからこれだけでも十分に元が取れます。 また、肝心の Sound Clips のコーナーには将来的に数百(hundreds)の MP3ファイルがアップされる予定とのこと! 入会した本日現在でもなんとこれまで非会員時代に聴く事ができていた 27ファイルの2倍以上の 65ファイルがアップされています。 この他に、Published Articles というコーナーでは Jack Taylor、Jimmy MacIntosh、R.B.Nicol などといったマエストロたちによる、ピーブロックに関する様々な印刷物になった(論文ではなくて割と軽めの)文章がこれまた PDFファイルでダウンロード自由。 さらに将来的には登録メンバー限定の(ディスカッション)フォーラムも開設される予定のようです。 う〜ん、いよいよ遠隔地のピーブロック・ファンであればある程に、ソサエティーに入会することのメリットを実感出来る時代になったようです。 ところで、ウェルカム・メールをくれた John Dow という運営メンバーの一人(Web Master)に早速「お礼メール」を送ったところ、直ぐさまこんなメールが返ってきました。気持ちが通じて嬉しい! Hello Yoshifumick Og MacCrimmori ! |
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以前、Dnald MacPherson の“A Living Legend”というアルバムを紹介したパイプのかおり第23話の中で「人は何才までハイランド・パイプを演奏することが出来る?」という話題に触れましたが、パイピング・タイムスの最新号(2009年 2月)のエディトリアルで似たような話題が取り上げられていました。
エディター(Robert Wallace)は最近、Ian Purkis という読者から次のようなEメールを貰ったとのこと。 それに対してエディターは「まずは、このような年齢にも関わらず Eメールを送ってきてくれたということが何よりも驚きだ。コンピューターは若者の道具だと思い込んでいる60才過ぎの全てのコンピューター恐怖症の人々は、この読者に学ぶべきだ。」と記しています。 そして、当年 80才の Archie Cairns の演奏が CoP のウェブサイトのエクストラ・ページで今月の“Choice Tune”として取り上げてられていることや、今や 86才になった ever young な Donald MacPherson が今でも熱心にピーブロックを学びつつ演奏しているということ、さらには、ジャズ界の巨人ルイ・アームストロングがローマで法王と謁見した際の逸話なども引用しながら、パイピングに於いて大切なのはとにかく継続すること“keep on keeping on”、そして、何かにつけて自分の力不足を嘆くのではなく、“be the best you can be”という取り組み姿勢を常に持っていることが大切だ、と説きます。 この人、1年に1、2度、大変素晴らしいエディトリアルを書くので敬服します。 |
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2月に紹介した後期高齢者パイパーの話題の続編?。2009年4月号の“Piping Times”に載っていた記事です。
なんと、今度こそ 93才で未だにパイプを吹いているというおじいさんが紹介されています。それに併せていかにも 93才という風情の写真が掲載されていました。 それよりも、さらにスゴイと思ったのは、このおじいさん、Mr. Charles M. Richards さん自身がパイプ仲間たちのリタイヤの際(バグパイプを演奏するのを諦める?)やお葬式などで読み上げるという自作の《詩》がなかなかのモノです。 パイプを吹き始めて 33年経つけど、まだ 40年は演奏し続けられる可能性有り!ってこと? そして、つまりはまだ道半ばって訳ですね。 |
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今更言うまでもありませんが、Google Earth ってのはスゴイですよね。
このツールが世に出始めた当時は、自宅に居ながらにして世界中を空中散歩できるその威力に驚嘆し、まさに世界中あちこちを散策しました。
当然ながら、スコットランドはパイパー森にとって最大の関心地ですが、スコットランドに限って言えば、エジンバラやグラスゴーといった都市部を除いて、
ちょっと地方に目を向けてハイランド地方を散策しようとしてみても、その画像はかなり倍率の低い茫洋としたものでしかありませんでした。 ところが、飽きらめずにまめに時々チェックしていたところ、ある時からスカイ島の画像がこれまでとは違って白い雲に覆われていない鮮明な画像に切り替わっ ていることに気が付きました。そして、試しにクローズアップをしたところ、以前とは見違える程に細かいところまで判読可能な、格段に解像度の高い画像に なっていることが確認できました。Dunvagan Castle などあちこちに点在する城や屋敷などもくっきりと見分けられるようになっているのです。 そうなると俄然、あの The MacCrimmon Cairn について、その具体的な場所を探してみたくなるのが人情ってもの。 その影の長さや大きさから推測する限り、緯度:57°29'14.47"N & 経度:6°41'22.24"W にある物体こそが、正にあの "The MacCrimmon Cairn" そのものだと推測されます。是非とも一度ご確認あれ。 ところで、Google Earth のレイアの中に「ラムゼイ歴史地図」ってのが有るのですが、その項の「マップファインダー」のチェックボックスにチェックを入れるとスコットランドに“Scotland - 1790”の絵地図がオーバーレイされるのはご存知でしょうか? これって中々情緒があって好きです。 |
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今年年8月末に、マックOS の最新版 Mac OS10.6“Snow Leopard”がリリースされました。私にとっては昨年10月に現在の iMac(当時は OS10.5) を購入して以来、初めての OS のメジャー・アップグレードです。価格も3,300円と非常にリーズナブル。
しかし、今回のアップグレードはシステムのブラッシュアップと軽量化に重点が置かれているということで、さほど目新しい機能が追加されている訳でもないこ
と、そして、現在のところ現行の OS になんら不自由を感じていないこともあり、リリースから2ヶ月間経っても手を出していませんでした。 そんな折、アップルは10月21日に iMac シリーズをマイナーチェンジ、それに伴いそれまでの Wired な入力機器に代えて、Wireless Keyboard & Wireless Mouse を標準仕様とすることととしました。 う〜ん、これはどうしても「買い!」だね、という訳で、Magic Mouse が単体で発売される11月を待って、早速、アップルのオンライン・ストアで「プチッ!」とワンクリックしてしまいました。ついでにいよいよ Snow Leopard も一緒に…。
いや〜、ジャスト・サイズに設えられた秀逸なデザインのアクリル製パッケージも含めて、Magic Mouse の外観はまるで「工芸品」の域。「アルミ+アクリル」という共通したデザイン・コンセプトによる Wireless Keyboard とのシンクロ度がさらに高まり、iMac 本体と一体となったそのプロダクト・デザインの完成度は正に頂点に達した感があります。 でも、いくら見た目が良くても使い勝手が悪くては工業製品としては失格。しかし、当然ながらアップルの仕事に死角は全くありません。これまではトラックパッドのある MacBook や iPhone、iPod Touch などの専売特許で、デスクトップ・マシンの世界からは縁遠かった Multi-Touch(マルチタッチ)テクノロジーが、マウス(上面)を使って完璧にオペレイション出来る。う〜ん、ス、スゴイ! 正直、感涙モノです。
中でも特に印象的なのは、マウス上面を滑らせた指の運動モーメントを敏感に感知してスクロールに反映させる「慣性スクロール」。最近、通勤電車の中で、い
かにもそれらしいビジネスマンが iPhone
の画面を指でス〜ッとなぞって、カーリングのストーンの動きの様にページをスクロールさせている場面によく出くわしますが、正にアレです。(我が家では、
最近 iPhone を手に入れた息子が盛んにやっています。) そして、また「ツーフィンガーによるスワイプ」も目から鱗の有用性。このアクションは「写真の閲覧等に便利」という謳い文句ですが、それよりも日常的に接 するブラウザの操作に際して絶大な威力を発揮します。ウェッブページを行ったり来たりする際、いちいちツールバーまでポインターを移動させて矢印ボタンを クリックする手間が省ける、ということのメリットがこれほどまでに大きいということについては全く予想外でした。 実は同様な操作はこれまでの Mighty Mouse で も、沢山あるボタンの内いずれかのボタンにそのようにコマンドを設定すれば可能であり、実際、私もそのように設定したこともありました。でも、現実的には その度「ハテ? どのボタンをどのように操作すれば良いんだっけ?」ってな具合に考え込むようになり、結局は「え〜い、メンドクサイ!」と、ポインターを ツールバーに移動させる羽目になるのです。そして、その内にマウスのボタンにそのようなコマンドを設定したことなど、すっかり忘れてしまうのが常でした。
アップルがパソコンの操作に
GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)という概念を導入し、そのオペレイション・ツールとして「マウス」という画期的な道具を発明した当初
は、極めてシンプルな1ボタンでした。その後も長年に渡って1ボタンがアップルのマウスの代名詞でしたが、それがいつの間にやらウィンドウズ・マシンの悪
しき風習に染まってアップルのマウスも多ボタン化の道に迷い込んで行ったのです。 ですから、そのようなモロモロの点を素直に反省してアップルの本来の信条である「シンプル」な姿に原点回帰しつつ、かつ、最新のテクノロジーを駆使して「多機能でありながら直感的に操作できる操作性の良い」このように革新的な Magic Mouse を具現化したジョブスとアップル社のエンジニア達には最大限の賛辞を送りたいと思います。 さて、マウスと一緒に購入した Snow Leopard の方はと言うと、懸念していた Adobe Go Live もクラシック・アプリケーションを実行可能にする Rosetta というソフトウェアをインストールすることにより無事に動作しました。目出たし、目出たし。私のサイト更新については、いましばらくの間、このクラシカル・ソフトのお世話になることができるようです。 ウィンドウズ・マシンと違って、マックな世界は徹底してユーザー・フレンドリーだな〜、ってまたまた感じ入った次第。 |
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「秀逸なデザインのアクリル製パッケージ」という事で言えば、今年6月に購入した iPod nano のパッケージがその先駆例でした。 これを手にした時、正直「一旦使用し始めたら2度とパッケージには戻さないはずのこのような製品に、これほど凝った造りで美的なデザインのパッケージを作るものか?」と心底感じ入ったものでした。 私は、最初に購入したマッキントッシュである Classic から始まり、ボンダイブルーの初代 iMac、そして、ちょっと進歩したインディゴ・ブルーの iMac、さらにシェル・シェイプの初代 iBook(色はオレンジ)、そして、ホワイト・ポリカーボネイトの iBook が家族の分3台と、全てのマックを捨てていません。どのマックもそれぞれの時代を反映した優れたデザインだから、ありきたりの電化製品と違ってどうしても捨てる気にならないのです。 ところで、パッケージデザインの話しとは関係ありませんが、オンラインのアップル・ストアでは、無料で iPod にメッセージをレーザー刻印してくれる特典サービスがあります。基本的には大切な人へプレゼントする際のお勧めサービスなのですが、私の場合は誰もプレゼ ントしてくれる訳ではないので、自分で自分の名前を刻印してもらいました。 |
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