パイパー森の音
のある暮らし《2016年》
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シアトル郊外の Seabeck という街で開催された "The 2012 Celtic Arts Winter School" に於けるこの動画、 上級クラスの生徒たちによる模範演奏と思われます。複数の生徒たちが揃って "Hector MacLean's Warning" を演奏するのを、Murray Henderson が《指揮》します。 抑揚、強弱、テンポなどといった表現のポイントを、手を叩く、指で示すなどを交えながら身体全体を使って演奏を誘導
するその仕草に、最初から最後までず〜っと見とれてしまいました。 この「ピーブロックの指揮」の有様は、 Concert for George のビデオで観たアヌーシュカ・シャンカールのインド音楽の指揮の様子に酷似。やは り、リズムやテンポがはっきりしている一般の西洋音楽とは一線を画した、民俗音楽に共通する所作ですね。 それにしても、様々な年代の聴衆たち(皆この教室の生徒だと思われますが)がピーブロックを聴き入る真剣な顔、顔、
顔。そして、演奏終了後の万雷の拍手。 ハイランド・パイプが偏って愛好されているどこかの国では到底考えられません。 |
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ここ最近2、3年のピーブロック・ソサエティー・カンファレンス講演録に目を通してなかったことに思い至り、2014年の講演録から読み始めました。まずは、軽めの講演2つについ て…。 “Noting the Tradition. The teaching of Robert
Brown and Robert Nicol” は この講演では、その中から Bobs of Balmoral こと Robert Brown と Robert Nicol ゆ かりの4人が語った、この2人のマエストロに関するインタビュー音源が披露されました。4人の内3人は、Jack Taylor、Jimmy Macintosh、Malcolm Macrae といったお馴染みの面々。それぞ れ大変興味い内容です。
2人に共通するピーブロック伝授方法は徹頭徹尾「曲を歌って伝える」という事。抑揚や強弱、韻の踏み方といった微妙な
ニュアンスは楽譜では到底書き表せな
いという事が根底にあります。楽譜を使うことはおろか、なんとプラクティス・チャンターすら使わないそうです。プラク
ティス・チャンターはあくまでも装飾 音の練習などをするもの、という認識なのです。 インタビュー対象の4人の内残る1人は、Ann Spalding
という無名(?)の女性。彼女は、14、5才の時に Robert
Brown から手ほどきを受けたという事。 Q : Tell me about the importance of the piobaireachd ? そして次に、Murray Henderson 御大
による “Preparing for Competition” という講演
録に目を通しました。 そして、そんなやり取りの中で交わされた Roderick
Cannon
による次の言葉は、日頃から私が実感している事そのものなので、正に我が意を得たりという思いがして大変印象的です。 一読すると、先に紹介した Ann Spalding の
言葉と対照的な内容のようにも感じられるかもしれませんが、実はそうではありません。Ann Spalding はここで "The people"
「人々」という単語を使っていますが、インタビューの背景と前後の文脈から推してこれは「パイパーの人々」という意味です。ですからこれを
"The pipers"
という単語に置き換えてみると、この二人が伝えようとしている事は決して矛盾していないのです。 この Roderick Cannon による言葉も、Ann Spalding の言葉と共に 新たにピーブロック名言集に収録しました。 この年の講演の中で最も重いのは、あの Alt
Pibroch Club を主催する、Barnaby
Brown による "Settings of tunes: How do
we explain the differences?" です。 …とは言え、 IT時代に相応しく Proceeding のページには講演録のPDFファイルに加えて、Barnaby Brown が講演の中で実際にカンタラックを歌った箇所のサウンド・ファイルが6つもアップロードされているので、それだけでも聴 きモノかと思います。時には聴衆を 誘って一緒にカンタラックを合唱している様子も伺えて、講演内容は格調高くても決して堅苦しい雰囲気ではないという事が 伝わってきます。 もう一つの(古の)ピーブロックに興味のある方は苦労してでも読む(&聴く)価値はあると思います。 |
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The Kilberry Book of
Ceol Mor |
2013
年2月11日の
日記に「電子ブックの形式とはいえ、元となっているのは紙ベースをスキャンした画像を電子ブックにバインドしただけなの
で、そうであるならば紙版の Kilberry Book を裁断し自炊して PDF
ファイルにする方がずっとマシです。そうすれば、パソコンでも iPad
でも自在に読めますし…。」と書きました。それから徒らに3年間経過してしまいましたが、昨日ようやくこの自炊作業を実
行しました。 一つには、以前にも書いたように、ファイルを開こうとする度にログインが必要で、毎回 ID(Email
Address)とパスワードを入力させられる事。 二つ目は各種の操作性について。 新聞のビューアーも同様ですが、デジタル書籍のビューアーで最も違和感を感じるのは、画面のスクロール。画面をスク ロールさせようとした場合、い ちいちサイドバーの矢印を何度かクリックする、あるいはカーソルをホールドして上下させる、または画面上でクリックして カーソルを手のひらマークにして画 面を掴んで上下させる、といった動作を求められます。単純な PDFビューアーであれば、通常のパソコン操作の基本の基の通りに、マウスやトラックパッドの上で指をスライドさせるだ け済むのとは対照的です。 この様な些細な操作性の違和感が一つ一つ積み上がって来ると相当煩わしくなります。 赤本をバッサリ裁断。いつものように ScanSnap S1300 でスキャンします。
さて、正規デジタル版に負けないようにインデックスページの曲名からそれぞれの楽譜ページへのリンク、そしてそれぞれの
楽譜ページからインデックスへ戻る
リンクを張らなくてはなりません。こればかりはシコシコ手作業。収録曲数は118曲なので、計236ヶ所のリンクを張る
作業は少々手間でした。 そんなかんなで、今では我が家の3台全ての Mac のデスクトップと iPad のホーム画面から、アイコンをワンクリックするだけ「パイパー森特製」デジタル版 Kilberry Book が即オープン。そして、目次からワンクリックで望む曲の楽譜に瞬時にアクセス。大きく表示したければ画面を広げれば良い し、スクロールしたければマウスやトラッ クパッドの上をちょこっと撫でれば良し。終始キーボードに触れる必要も無く、段違いにストレスフリーになり ました。 さて、次なる課題はピブロック・ソサエティー・ブック16冊のデジタル化。 まあ、どうやらこの作業については今しばらく様子見、といったところになりそうです。 |
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The History and
Structure of |
2月3日に↑のように書きましたが、実は、ピブロック・ソサエティー・ブックよりも先にデジタル化したかった本があ ります。それはピーブロック愛好家のバイブル、A. J. Haddow の “The History and Structure of Ceol Mor” で す。 "Piping Times” 1979年2月号で紹介した様な経緯で
1982年にリリースされたこの本が、Oさんのスコットランド旅土産として私の手元に来たのは丁度30年前の1986年
6月9日の事。私にとっては 1992年に入手した Kilberry Book
よりもさらに古く、1983年に入手した Seumas
MacNeill の “Piobaireachd - Classical
Music of the Highland Bagpipe” に次いで長い付き合いになり
ます。 2冊ともコンパクトな A5版サイズでハンディなのは良いのですが、出会ってから 30年以上経つと読み手の方がすっかりローガン者となり、いざという時に目を通すのが辛くなってきました。Seumas の本の活字も決して大きいとは言えませんが、Haddow の本はさらに一段と小さな活字で行間も極めて狭隘。楽譜集とは別の意味でデジタル化が求められます。 A5版ですから、裁断さえすれば手持ちの ScanSnap S1300
でもスキャンは可能です。しかし、この本は Oさんから頂戴した思い出の蔵書。自分で購入した Kilberry
Book
とは違って裁断するなんてことは到底考えられません。そこで、私は裁断用として(今度は自分で)新品をもう一冊購入することにしました。 そこで、改めて ScanSnap SV600
について検討する事にしました。 スキャナー到着後、早速に作業を開始。うたい文句通り、見開きページを自動で切り分けてくれたり、本の中央部分の文字の 歪みや傾きも見事に補正されます。 しかし、実際のところ歪みや傾きの補正結果は完璧に満足できるようなレベルではありません。そこで、見開き2ページ毎に 一旦 JPEG形式で取り込み、画像処理ソフトGIMPを使って歪みや文字の傾きの修正、活字全体のレイ アウト調整、汚れや影 の消しゴム処理等を施した後に PDFファイルに仕上げる、という作業行程を取りました。およそ3日間掛けて 224ページを取り込み→修正→PDFファイル化。やり直しを含めると多分120〜130回程のスキャン&修正作業を 延々と繰り返しました。 「僅か3日間で?」と思われるかもしれませんが、ScanSnap
はフラット・ヘッドスキャナーに比べてスキャン・スピードが格段に速いのです。そして、SV600 が
S1300に比べてさらに優れているのが、解像度に関係なくスキャン・スピードが僅か3秒(!)と極めて
高速である事。 今回も解像度を 300dpi
に設定しましたが、それでも変わらず3秒。開いたページを指で押さえる際の力加減によっては、取り込みに失敗する事も
多々あるのですが、そんな時は躊躇せ ず失敗したファイルを捨ててやり直せば良し。
さて、全てのページのPDFファイルが完成しそれらをバインドした所で、次は添付されていた Nuance
PDF converter for Mac という編集ソフトでリンク張りの作業。今回はこの添付ソフ
トのお陰で、Windows マシンを借りなくても済むようなったのも幸いでした。やはり、出来るならば最後まで
Mac で作業を完結したい所。 その後、同じソフトで OCR処理をして文字識別可能な PDFを作成。OCR処理をすると文字列が検索可能になるだけでなく、インターネット・サイトを閲覧する時と同様に、知 らない単語や用語を調べたい時に は、画面上でその文字列を選択すればそのまま辞書やウィキペディアで調べる事が可能になります。その代わり、リンク情報 は失われてしまうので、その時々に 「リンク」と「文字識別」のどちらを必要とするかによって、通常版とOCR版を上手く使い分ける必要があります。 この様にして仕上げた、自家製デジタル版 “The History and Structure of Ceol Mor” が 極めて便利なのは言うまでも有りません。iMac の27インチのディスプレイや iPad の画面一杯に文字を広げることができるだけでなく、一覧からは曲の歴史や構造を解説したページにひとっ飛び。また、 OCR版を使えば辞書無しで読み進める 事も至って容易。オーバーヘッド・スキャナー購入の意義は極めて大でした。 さて、いよいよ次に控えているのは、ピーブロック・ソサエティー・ブック16冊のデジタル化の作業です。 |
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The "How to"
Piobaireachd Manuarl and CD |
2月14日に↑と書いておきながら、またま た 別の本を自炊してしまいました。ピーブロック・ソサエティー・ブックは大仕事という意識が抜けなくて、なかなか手がつき ません。 今度は Archie Cairns の The “How to” Piobaireachd Manual and CD です。もちろん、 CDは抜きですが…。 実は、私が新たな曲の練習をする際、また、装飾音やピーブロック用語の意味や発音が知りたい時などに、参照する機会 が最も多いのがこの本だという事に思い至ったのです。 また、この本はスパイラル・バインドなので、1ページづつ平面としてスキャンできるのがミソ。先日の Haddow
の本よりもはるかに自炊し易いという事にも気が付きました。 色々試行錯誤したところ、SV600でスキャンする場合もやはり誌面はビシッと平らに押さえつけた方 が、スキャン後 の修正作業が楽なようです。実はそのような用途の SV600の関連商品としてブックプレッサーと いう器具が販売されています。しかし、「外部光の侵入・反射を軽減し、光線透過率の高い特殊フィルムをアクリル板に貼 付」といったうたい文句だけでなんと 1万5千円。SV600自体が5万円なのにこれはちょっとアホらしい。近くのホームセンターに行き、この製品と同じ 3mm厚のアクリル板を約2,500円 で購入。十二分に用が足りました。 もう一つ、前回より作業効率がアップした理由があります。前回は JPEG 形式で取り込み→修正作業したファイルをその都度 PDF化。最後に全ての PDFファイルをバインド(結合)というプロセスをとりました。しかし、今回は修正作業の終わった JPEGファイルはそのまま貯めておいて、最後の最後に MacOSの自動処理プログラム(Automator/WindowsOS のマクロと同様ですがプログラムを組む容易さは天地の差)を組めば「JPEG → PDF → ページ順にバインド」の一連の作業はワンクリックで完了できる事に気がついたのです。 これらの甲斐もあって今回は取り込み→修正作業も至って楽チン。ちょうど100ページのこの本の自炊作業は、リンク張りも含めてまる2日間も要せずに あっと言う間に完了です。 いや〜、ますます便利になりました。さて、今度こそ…。 |
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Piping Press
で紹介されていた記事を読んで、先日 Piping Press のオンラインショップにオーダーした "Ceol Mor for the Great Highland
Bagpipe" by James
McIntosh が届きました。 この本、デカイ! |
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エイプリルフールの出来 事 |
"Piping Times" online Edition については、最後に報告した 2014年5月以降は平穏な日々(月々?)が続いていました。ところが、 先日4月1日のエイプリルフールに久しぶりにまたまたやってくれました。いつまで経っても退屈させてくれませんね。 前にも書いた通り、私の定期購読は毎年2月で終了します。今年もまた例年の如く「もういい加減購読やめようかな?」と 逡巡しつつも、結局「ま、いい か〜」と、2月号の配信のあった日に一年間の購読更新を手続き。そして、新しい定期購読期間の最初の号である3月号が3 月1日に無事配信されてほっと一安 心。 確かに、購読更新の手続き後には CoPからの注文確認のメールと PayPal からの領収メールが送られてきています。しかし、最終的に私の新しい購読期間を配信システムの中でリニューアルするのは CoP のスタッフの手作業だと想像されるので、その事が抜かり無く処理されて実際に配信されるまでは決して安心できないので す。 さて、そんな不安感も無くなったところで次の4月号がスケジュール通り4月1日(金)に配信。ところが、ログインし ようとしたら、なんと次のようなメッセージが…。
余りのアホらしさに、もしかしたら「エイプリルフールのジョーク?」という事も半ば本気で考えました。しかし、現地時間 の2日になっても同じ状況である事 を確認したところで、単なる間抜けな処理がされていると確信。4月1日以降最初のワーキングデーたる4月4日(月)の業 務開始一番にメールを読ませるよう に、月曜日朝の内にメールを送信しました。 タイトルを「これってエイプリルフールのジョーク?」とし、本文は一切書かず、上の画像とともに、2月1日付けで CoPから送信された購読更新を受付た際のインボイスを皮肉たっぷりに並べて添付。言いたい事は明々白々で伝わるでしょ う。 メールの宛先は shop@collegeofpiping.org と
andrew@collegeofpiping.org としました。 I am sorry I cannot respond to you immediately. I am on annual leave until 20th April. I have limited access to my email and I will get back to you as soon as possible. If you require immediate assistance, please email college@collegeofpiping.org, or phone +44 (0) 141 334 3587. Regards 一瞬「お〜、丁寧な物言いで即返するなんて殊勝な心がけだ。大分反省した ようだな。」なんて思ったのですが、よく見るとタイトル欄に Automatic replay : とあります。な〜んだ。年次休暇中の自動返信メールの定型文か。道理で俊速の返信かつ丁寧な文面だと思った。 それにしても、4月20日まで戻らないのであれば、それまで待っているのも癪だし、第一黙って待っていれば、その頃
にはすっかり忘れられてしまうのは目に見えています。 そうしたところ4月9日になって何故かまだ休暇中のはずの ○ndrew Wallace から Hi …と、至ってノー天気かつ愛想の良いメールが到着。試してみると確かにログイン可能状態に…。そもそも遠隔操作可能 なら、最初のメールを自分自身で確認した後に直ぐやれよ! いや〜、またしても相変わらずの CoP ぶりに振り回された日々でした。 |
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The Piobaireachd Society Books 自家製デジタル版 |
CoPのデジタル書籍は相変わらずトラブル続きですが、私の自炊による自家製デジタル版
作りははその間も粛々と継続。The "How to" Piobaireachd Manuarl
and CD デジタル版作成の作業を終えた2月半ばから、ほぼ2ヶ月間掛けて The
Piobaireachd Society Books16冊のデジタル化に取り組んできまし
た。 ところが「さて、次は目次ページからのリンク張り作業だ。」と意気込みつつ全ページをつ
らつら捲ってみていると、既に修正作業を終えたにも拘らずあれこれと不具合が目に付く様になってしまいました。 そして、いよいよ最終段階のリンク張り。昨年、25年ぶりにリリースされた Book 16を除く15冊に収められている 244曲のインデックスは2ページに集約した物が別途リリースされ ています。そのインデックスと Book 16の20曲のインデックスから夫々の楽譜のページにリンクを 張ります。一曲当たりのページ数は楽譜自体と解説で最低で も2ページ、多い場合は数ページに 渡りますが、リンクするのは夫々の曲のトップぺージのみとし、インデックスページに戻るリンクもトップページからのみと しました。今回は総ページ数が多い ので手抜きです。ですから、264曲分のリンク張り作業自体は比較的 楽に数日間で完了。 The Piobaireachd Society Books
自家製デジタル版の完成です。 オリジナル以上にクリアな譜面と解説ページの16冊全ページが一体としてバインドされ、全曲のインデックス・リンク まで張られたデジタル版 The Piobaireachd Society Books な んて物は、おそらく世界中見渡しても他には存在しないと思われます。まあ、たとえ存在していても著作権の関係で公にはな りにくいので確認のしようがない、というのが本当のところですが…。 現在およそ半数がリリースされている公式デジタル版が全冊出揃うのは、これまでのペースで考えるとまだ2、3年掛か りそうです。また、たとえそれ が完結した場合でも、公式版の電子書籍フォーマットは、シンプルなPDFファイルに比べて、遥かに使い勝手が悪いことは これまで幾度となく指摘してきた通 り。そもそも、個別に販売される各冊のデジタル版が手元に全部揃ったところで、全冊を貫くようなリンクが張られた全曲イ ンデックス・ファイルが提供される のでしょうか? 現在の CoP の電子書籍システムの不親切さから考えると、それは余り期待できそうには有りません。 一方、紙版の The Piobaireachd Society Books は
そもそも手元で開くには手に余るサイズ。さらに、16冊に分冊されているため使い易いとは到底言い難い。これまでは、ど
うしても参照したい楽譜があった際に該当する一冊を取り出しその楽譜をコピーする、といった使い方しかしていませんでし
た。 惜しむらくは、著作権を考慮するとこの例を初めとして、これまで紹介してきた一連の自家製デジタル版はあくまでも私 だけのプライベートユースに限られるという事。まるで、単にひけらかしているだけのような顛末報告にならざるを得ないこ とはどうかご容赦下さい。 |
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iPad Pro |
私の性格として、ある製品を選ぶ際の基準として「新しいもの好き」な面があるの は否定しません。しかし、同時に「気に入ったものは出来るだけ長く使いたい」と思う 気持ちも強くあります。これは言い換えると「出来るだけ長く使えるような(ライフサイクルが長い)製品 を好む」と言う事でもあります。 我が家では昨年5月に車を買い換えましたが、それまでのボルボ850エステートに
は19年間乗り続けました。走行距離は15万km弱。本当は、20年間 or
20万kmを目標としていたのですが両方とも果たせず、少々残念な想いが残ります。 iPad については、2010 年1月発表の初代を、発売日に入手して以来、およそ6年間ずっと使い続けてきました。iPad は毎年のように代替わりしていますから、最新のものから数えるとちょうど6世代前のタイプに当たります。 車もデジタル機器も気に入ったモノを使い続けられれば使い続けたい気持ちは大なのですが、どちらの製品も、ある時点 を超すとその時代の水準から余りにもかけ離れすぎる状況に陥ります。ボルボの場合 は、ATのシフトが4段しかなくて燃費が余り良くない事や、足回りがヘタって来た事などが寄る年波を感じさせられる大き な要因でした。 一方、iPad の場合は、かなり前から
iOSやアプリの最新版が対応しなくなっていました。何しろ、iOSの最新バージョンが
iOS9になっているにも拘らず、初代 iPad はなんと
iOS5までしか対応していないのです。 …とは言いつつ、そのような状況になってもある決定的な局面を迎えるまでは「まっ、いっか〜」と騙し騙し使い続ける のが私の常。 ボルボに 於ける決定的な局面というのは、ブレーキペダルのスイッチが壊れているのに気づかず(玉切れはウォーニングランプが付く のですが、さすがにスイッチ は…)、走行中にブレーキランプが全く点灯していない状況を、たまたま後ろに着いたパトカーに指摘(?)され、整備不良 の違反切符を切られてしまった事で した。まあ、いつからなのか分かりませんがブレーキランプが点灯しない状況で追突されなかったのが不幸中の幸いと感謝し つつも「些細だけど、こんな肝心な 箇所が突然壊れるようになったらいよいよ潮時だな〜」と思わされた出来事でした。 さて、iPad
の決定的な局面は、今回手がけた自家製デジタル版の本&楽譜の閲覧に際して訪れました。一連の作業で完成した自家製デジタル版は
The Kilberry Book of Ceol Mor が
159.3MB、The History and Structure of Ceol Mor が
352.8MB 。かなり大きなサイズになってしまったこれらの
PDFファイルの閲覧の際、やたら動作が鈍い事を痛感。急いで操作するとアプリがシャットダウンする事も何度かありました。 やれやれ初代 iPad もいよいよ引退の潮時。早速、Apple のオンラインストアで最新の iPad Pro 9.7 inchゴー ルドを発注。4月14日午前中に配送予定です。 これで、各種自家製デジタル版の本&楽譜集をサクサク読み進める事ができるでしょう。これからはこれまでの努力の成 果を存分に味わう段階です。 ちなみに、私は iPhone も2011年秋リリースの 4S
を4年半使い続けています。4S の後に出た iPhone
5 のサイズが大きくなったので買い替えを控えていたら、次に出た iPhone
6 でさらに大きくなって、買い換えるタイミングをすっかり失いました。 |
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Binneas is Boreraig 自家製デジタル版 |
iPad Pro は予定通り4月14日に配送。iPhone SE も遅れに遅れはしましたが、それから約一ヶ月後の5月11日に入手完了。数年ぶりに、 iOSガジェットが最新バージョンに更新されました。 お陰で朝日新聞もアプリで読めるようになったし、790.6MBの The Piobaireachd Society Booksを始めとして、この間作成した自家製デジ タル版の本&楽譜集がストレスフリーでサクサクめくれるのが何より。2013年に購入して以来ここしばらく眺める事から 遠ざかっていた The Book of Kells も Retina Display の繊細な画面で眺めると、その渦巻き模様や組紐模様の込み入った文様に飲み込まれそうになります。
さて、そんな中、CoP のデジタル版にはまたしてもやられてしまいました。 例によって、○ndrew Wallace
宛にメールを書けば直ぐに解決するでしょう。しかし、CoP
のデジタル版の使い勝手の悪さにはとうの昔にさじを投げているのでどうせ使わない物。それすらする気になりません。 Binneas is Boreraig の特徴的な3線譜に記された楽譜は、正直使い勝手が良いという訳ではありませんが、パイプのかおり第 14話で紹介したように、復刻版に新たに加えられた各曲の解説に大きな価値があります。特に、作曲者に関す る記述に関しては、他の資料では書いてあったりなかったりで、その都度あれこれ当たらなくてはならないのですが、Binneas is Boreraig の解説には、判明している限りほぼ作曲者が記載されているので重宝。 そんなかんかで、この際 Binneas is Boreraig
も自家製デジタル版を作成する事にしました。幸い、この楽譜集も The “How to” Piobaireachd
Manual and CDと同様にスキャンが容易なスパイラルバインドで、総ペー
ジ数も130ページ余りで少なめで楽勝!と早合点。 この楽譜集は楽譜によっては見開き2ページに掛かるように横長に書かれている曲もあったり、解説文と楽譜が見開き左
右で隣り合っていたりするので、原則見開きで使いたいところ。 |
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Piobaireachd HighA? |
掲示板でピーブロック仲間の O’HARAさんから次のようなご質問を頂戴したのでお答えします。 「最近練習している中で分からないのが、Piobaireachd HighG、HighA と 通常の HighG、HighA 及び throw on D の Light と Heavy の使い分けです。それらの法則性があれば教えてください。」 (1)Piobaireachd HighG について (2)Piobaireachd HighA(?)について では具体的に、The Daughter’s Lament の Urlar を例にとって説明します。以下、Piobaireachd HighA を P-HiA(赤 丸)、普通の HighA を O-HiA(青丸) と表記。 ●1st ライン3小節目は (Chedari)HiG〜(tr)HighA という極めて混み入った指の動きからして、HighA-doubling の処理がし易い P-HiA の方がベターです。 ●4小節めの(tr)HighA は次の5小節めの HighG に続くので P-HiA で演奏するべし。なぜなら、この2音を移行する際に、単に親指穴を塞ぐだけというワンアクションで済ませられるからで す。 ●7小節目の (Chedari)HighG-HighA-D、2nd time 7小節目(Chedari)HighG-(tr)HighA-F も、3小節目と同様。 ●その一方で、2nd ライン の1小節めの HighA-dreE-HighA-E という音列の場合、特に前半の
HighA-dreE に関しては、指の動きが単純な(単に慣れているだけ?)O-HiA
の方が歯切れよく仕上がるので私は O-HiA を使います。 ●2nd ライン3小節目の E-(tr)HighA-HighG は指の動きが圧倒的に少なくなるので P-HiA を使うのがベター。 ●3rd ラインは以上のパターンを適用。 以上を参考にしながら、ご自身でも試してみて下さい。 (3)throw on D の Light と Heavy の使い分け その後、掲示板で bugpiper さんが次の様に投稿されました。 > I氏の師の一人、Hugh MacCallum は、Crunluath a Mach on D のみ Heavy で 演奏したとご本人から聞いたとのことです。 そこで、Archie Cairns の "How to" Piobaireachd Manual を紐解いたところ、確かにそう書いてありま した。 私は、これまでずっと Light D throw でやっていました。まだまだ学ぶ事ばかりですね〜。 |
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ピーブロックに関する情 報の整理&管理につい |
O’HARAさんから。もう一つ次のような質問を頂きました。 「パソコン・スマホ等機器による Piobaireachd のデータ収集、整理、管理をご自身では、どのようになされていらしゃいますか? 差し支えなければお教えください。」 この機会に、私が日常行っているピーブロックに関する情報・データの整理・管理について説明します。まあ、これは ハードやソフトの更新に連れて年々変化し、情報の追加によって日々深化するものですから、あくまでも現時点での状況です が…。 まず、私が日常的に使用しているIT機器は次の通りです。 当然ながら全てのデータはまずはメインマシンである iMac 27inch のストレージに
収納。 ファイルの管理はそんな感じですが、要はデータをどの様に整理するか、どの様にアクセスし易くするかが工夫のしどこ ろです。 (1)文献資料 1)iMac iMac のデスクトップです。 ドックにはよく使うソフトのアイコンの他に、右から2、3個目の2つのアイコンが、頻繁にアクセスする主要なフォル ダへのショートカットになっています。 マウスを操作して最も手近な位置にある Piobaireachd
のホームフォルダをクリックすると↓の様に展開します。 ホームフォルダの資料は次の通り。 00 My Scores :
練習用に編集したマイ楽譜コレクションPDF。30数曲分。 01 Piobaireachd Index :
全てのピーブロックの様々な楽譜集の収録先が一覧になったインデックス。ヘッダ行を固定してスクロールして見やすいように、このファイルだけは
Numbers という MacOS の表計算ソフトのファイルです。元データは確か Ceol Sean の Steve Scaife 作だったと思います。 02 Piobaireachd Index : 同じ内容の PDF版 03 Piobaireachd Society Books : Book 1〜16 の自家製デジタル版 04 The Kilberry book of Ceol Mor : 自家製デジタル版 05 Binneas is Boreraig : 自家製デジタル版 06 Pipers Meeting:
自家製デジタル版(2017年5月完成&追加) 07 "How to" Piobaireachd Manual : 自家製デジタル版 20〜25のブリーフケースのアイコンはフォルダアイコンです。それぞれのアイ コンをクリックするとフォルダが開いて次のフェーズに入ります。 20 Articles
には、個々の曲の歴史や背景を調べたい時に必要な本など、どちらかというと読み物的な文献を収めてあります。ネットからダウンロードしたもの、自家製デジ
タル版など出典はあれこれ(出所を思い出せないものも多々)。 02 The History and Structure of Ceol Mor : OCRバージョン 03 Art of Piobaireachd by Ian L. MacKay : 通常バージョン 04 Art of Piobaireachd by Ian L. MacKay : OCRバージョン 05 Legendary & Historical Notes of Ceol
Mor by Roy Gunn : 通常バージョン 07 Piobaireachd - Classical Music of the
Highland Bagpipe : 通常バージョン 10 PIOBAIREACHD and its Interpretation : OCRバージョン 11 Masters of Piping by Seumas MacNeill : 通常バージョン(2017年10月完 成&追加) 12 Masters of Piping by Seumas MacNeill : OCRバージョン(2017年10月完成&追加) 13 The Bagpipe Fiddle & Harp by Francis Collinson : OCRバージョン etc.… 21 PS
Proceedings は、1973年〜2016年の
Piobaireachd Society Annual Conference
の講演録を年度毎に一冊にバインドしたPDFファイルを年代順に並べて収録。 22 PS Articles
は、PSサイトにアップロードされている様々な文献資料を個々にダウンロードして収録。大分前に作業したので、その後追加された文献の取りこぼしがあるか
もしれませんが、それでも現在 74ファイルも有って読むのが追い付いていませ
ん。これらについても、PSサイトでいつでもアクセス可能ですが、やはり、その都度アクセスする手間を省きたいのと、
ネット環境に関わらず何時でも読めるようにオフラインバージョンとして保存してあります。 23 Donaldson
は北米のネットマガジン "pipes|drums" に2000年から連載さ
れている、Dr. William Donaldson
による PS Set tunes に関する解説コーナーのマテリアル。現時点
でおよそ170曲分。解説ではあらゆる古い楽譜集を全て網羅して見比べています。つ
まり、この資料があれば PS
サイトや Ceol Sean
の個々の古い楽譜集を一々めくって該当の曲を検索してする手間が省けて極めて重宝。これらも、サイトでいつでもアクセス可能ですが、上と同様の理由でオフ
ラインバージョンを保存。 24 "Bagpipes"
は "Bagpipes" A National Collection of a National
Instrument by Hugh Cheape"(2008/National
Museum Scotland)に付属している CD-ROMの中身そのもの。 25 Materials はいわばバックヤードの収蔵庫。 また、Donaldson
の資料や Alt Pibroch Club - Musical Materials
のページで、それぞれの楽譜をイージーかつ横断的に参照できる時代が到来し、実のところ正にお蔵入り状態。 2)iPad iPad の PDF閲覧アプリとしては、以前は定番の GoodReader
をメインで使っていましたが、現在は i文庫HD がメイン。iOS
デフォルトの iBooks はどういう訳か使いにくい。 また、使い勝手の面からも操作や表示などについて極めて細かく設定できる i文庫HD
は、PDF版のデジタル本を読むという事に関して大変優れています。中でも私が特に有難いと感じるのは、手動で余白を自
在に設定できる事。 この i文庫HD には基本的に iMac の Piobaireachd フォルダの 中身をそのままの階層で保存し、並列した5つの本棚にそれぞれの階層毎に表示される様にしています。 この記事を書いている最中に新たに Apple Pencil を入手しました。 実は、この半月ほどの間に Seumas MacNeill
の Piobaireachd - Classical Music of the
Highland Bagpipe"(1968)を初めとする、
読み物系の参考文献
4冊を続けざまにデジタル版加工していました。そして、その過程でそれらの本に沢山引いてあるラインマーカーを残すかど
うかで逡巡しました。 そこで、今回の作業ではラインマーカーを残す事は諦めて、全てグレーモードでスキャン。仕上げた
PDFファイルについて、まずは目次やインデックスから該当ページへのリンク張り作業を済ませます。 最初に仕上がった
Piobaireachd - Classical Music of the Highland Bagpipe
- by Seumas McNeill
については、その様にしてデジタルラインマーカー引き作業を一気に仕上げて、解体前のラインマーカーを復元しました。 余談ですが、今回の購入先ヨドバシ・ドット・コムのエクストリームサービス便ってスゴイですね。朝11時過ぎにオー ダーしたのに、夕方6時過ぎには自宅の郵便受けに届いているんですから…。 ここで問題発生。i文庫HD ではマーキング作業が出来ない。 そこで、PDF文書の編集が可
能で、かつ、マーキング作業が紙の本での作業に近いと思われる、別の
PDFビューワーを探す事にしました。ササッと検索して PDFの総元締め、パソコンでお馴染みの Adobe
Acrobat Reader の iOSアプリをダウンロード。 ただし、Acrobat Reader で作業完了した段階で、そのファイル を再度 iMac の Piobaireachd フォルダと i文庫HD のファイルと置き換える手間が掛かります。しかし、これだけ心地よい作業が出来るのであれば、まあ良しとするしかありま せん。もちろん「デジタル本が読 みやすく、本棚フォルダの体裁が良く、マーキング作業がし易い」といった三拍子揃ったアプリがあったら申し分無いのです が…。 1)iMac 音源資料は基本的にピーブロック以外の音源と一緒に iMac の iTunes で管理しています。iTunes では、全ての音源の分類が一目で解り易い、下の様なツリー形式のカラムブラウザをデ フォルト使用。 ジャンルは全部で12。ロック、民族音楽(World)、ケルト、ブリティッシュ・トラッドを除いたハイランド・パ イプに関するジャンルを選択すると次の様な具合。 他の音源はごく普通のジャンル分けですが、ハイランド・パイプ関連の音源についてはジャンル分けとタグのつけ方に一 工夫しています。 まず、Binneas is Boreraig、Donald MacLeod Tutorials、Masters of Piobaireachd、Piobaireachd Old Settings というシリーズ音源は、それ自体をジャンル名にして独立させています。 このようなシリーズものの場合、ある曲が Vol.?に入っていたかということは余り意味がありません。その代わり、こうしておけばそのシリーズ収められている全ての曲をタイトル順に表示すること が容易で、曲を探す際に大変好都合なのです。 Highland Pipe
に収められているアルバムの殆どは、中にピーブロックが含まれていて、その曲だけは抜き出して Piobaireachd
のジャンルで管理しています。しかし、あえてアルバムとして聴く価値があるようなものに限ってここにダブって収めていま
す。 Interview & Others は主に Pipeline や、今は無き CoP Radio でオンエアされたインタビュー音源などを収めています。 Tutor は手元にある様々な教則本に付いていたCDなどの音源類。 さて、いよいよ肝心のジャンル Piobaireachd について。 最初に紹介したシリーズ物の音源を除いた純粋な(?)ピーブロック音源の数は今や 1,061個
/181人のアーティスト/233曲/7日16時間48分20秒/11.33GB
になっています。 この様にすることによって、アルバム欄の曲名を選択すればその曲の全ての音源が
一覧に並びます。↓の "Lament for the Children"
の例で言えば、コレクションされている 21個の音源が一覧で表示されているのがお分かり頂けるでしょう。 曲名表記については、PS Books 自家製デジタル版を頻繁に使う様になってから、iTunes の方も PS Books のインデックスページの表記と同じコンセプトに変更しました。 つまり、Battle、Gathering、Lament、March、Salute
といったテーマ別の曲が一塊になるように、"Lament, Ronald MacDonald of
Morar’s" とか、"Salute, MacLeod’s"と
いった具合に、タイトルの最後に Lament とか Salute
とか付く曲の場合はそれぞれ Lament や Salute
を最初に持ってきます。 2)iPhone 今年5月に IPhone を更新する際、思い切って容量を64GBのものにしました。ですから、今では
iTunesに入っている殆どの音源を iPhone に入れて持ち歩いています。 ※ ↑の内容は 2016年9月25日以降の改善点等について一部加筆修正しています。 |
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Glenfiddich |
パイプのかお
り第36話の冒頭にも書いた様に、最近は CoP や NPC
から折々、コンペティションや講演のライブストリーミング配信のお知らせが届きます。2014年からはあの
Glenfiddich パイピング・チャンピオンシップのライブ配信も始まりました。 リンク先の Vimeo の NPC のページに行くと、10人の演奏風景が編集され て個々人のピーブロックとMSRパフォーマンス毎に閲覧可能になっています。イベント当日から中3日でこの状態にまで仕 上げるのですから、英国人も変われば変わるものです。 昨年までの記憶は無いのですが、どうやら同様の経過を辿ったようで、そのページにはライブストリーミング初 年度の 2014年と昨 2015 年のビデオも同様の形で閲覧可能になっていました。 トップ3の音源はその後 Pipeline でオンエアされましたが、その他の音源は聴いた事がありません。折角なのでこの際この3年間のパフォーマンスについて、取りこぼしていた演奏音源をキャプ チャーしながら全部通して観てみました。 ちなみにこの3年間の演目と演奏者は次の通り。 ●2014 ●2015 ●2016 (1)曲のバラエティーがイマイチ? このイベントはその年の各地の主要コンペティションで好成績を収めたパイパーが招待されるのですから、顔ぶれが毎年
大きく変わる訳はありません。しかし、演目についてはもうちょっとなんとかなりそうなのですが、その割には変化に乏しい
ような気がします。William McCallum
に至っては、なんと2014年と2015年の演奏曲が同じです。 今回、この30パフォーマンスの中で唯一新鮮味があったのは、2016年の "MacLeod of MacLeod’s Lament"(Finlay Johnston)でした。理由は、単純にこの曲のパイプ演奏音源を聴くのが初めてでだったから…。 まだ知らない良い曲の良い演奏に出会える喜びは何事にも代えられません。 (2)編集も徐々に巧妙になっている (3)Iain Speirs の舞に酔いしれる しかし、今回の顔ぶれの中で唯一 Iain Speirs
だけは別格中の別格。この人の演奏は3曲全てとことん見惚れます。背筋だけでなく指先にまで、まるで筋金が入ったようピ
ンと伸ばした見事な演奏姿勢。その
姿勢のまま表情一つ変えず静々とした足運びで、上半身を殆ど上下動させる事無く粛々と移動する様は正に《能》の舞に通じ
る荘厳な美しさ。魅せられます。 そんな彼の 2015年 "Scarce of Fishing" のパ
フォーマンスは正に円熟の極み。魂が曲に乗り移ったかの如くの名演。ピーブロックの舞の極致と言えるものです。 今年で43回目を迎えたこのイベント、30年前の "Piping Times"
でも毎年のレポートを紹介しています。特に12回目のイベントを紹介した1985年12月
号ではこのイベントの運営コンセプトを私なりにイメージして説明してみました。 |
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さらば、アドビ |
このサイト(ホームページ)は2002年にスタートしたので、既に14年が経過しました。
そこで、慌てて有料&無料含めていくつかのサイト作成ソフトの体験版をいろいろ試してみました。ところが、それまで
GoLive で作成してきた
ファイルをそっくりそのまま読み込んでくれるようなソフトは見つからず終い。Photoshop を完璧に代替えする
GIMP
のようなソフトはサイト作成ソフトには存在しないのでしょうか? それ以来、我慢しつつイヤイヤ付き合って来た Dreamweaver CS5.5 ですが、毎年のように MacOS がアップデートされ
るに従い、前回と同様に徐々に雲行きが怪しくなっ て来ました。そして、導入から5年経過した 2016年秋、MacOS 10.12 Sierra
のリリースに際して、とうとう「Dreamweaver
CS5.5 は起動しない。」との情報が…。 でもまあ、物は試しと 2011年に GoLive
が使えなくった時と同様にフリーのサイト作成ソフトを物色してみました。検索条件は「Mac
Dreamweaver 代替」といった具合。 再度、他のソフトを物色。次に KompoZer
というソフトがヒットしました。今度は先にウィキペディアを確認。「KompoZerでは WYSIWYG
による直感的なウェブページの作成が可能である。ただし、市販のWebオーサリングツールと比較すると、全般的に操作メニューは少なく、生成されるコード
もシンプルである。」とあります。 いや〜、快適快適。これまで作ってきたサイトのファイルもすんなり読み込むし、ボタンの数も少なくてインターフェイ
スもスッキリ。ボタンの数が少ないと言っても書式設定や文字の拡大縮
小、文字や
背景のカラーリング、リンクやアンカーなど、GoLive
と同様に素人には必要にして十分なボタンがデフォルト画面に並んでいて、素早く利用できます。 また、KompoZer を試してみて気付いたのですが、今から思えば、Dreamweaver のWYSIWYG は厳密には "What You See Is a bit out of What You Get" でした。編集画面に表示されるものは実際にブラウザーで表示されるものよりも随分と行間が詰まって表示されるのです。この数年間は「まあ、そんなもん か?」と思っていました。ですから、ページの実際の見栄えは、作業中にその都度ブラウザ表示に切り替えて確認。しかもそ の肝心のブラウザ表示も、Mac のデフォルトブラウザ Safari の最新バージョンに対応しなくなった段階で機能不全に。その後は、作業中のページをいちいち実際にアップロードして本物 のブラウザで確認しなくてはならない始末。翻って、KompoZer の WYSIWYG が厳密に "What You See Is What You Get" なのを体感して、今までは一体何だったんだ?という感じ。 ↑Dreamweaver
のワークスペース/10のタブにそれぞれ10個以上のボタンが氾濫/行間が実際のブラウザ表示よりも詰まっている「な〜んちゃって
WYSIWYG」画面/右は FTPウィンドウ 良いソフトが手に入って嬉しくなり、まだ11月半ばなのにも関わらず、物は試しと KompoZer を使って "Piping Times" 1986年12月号の記事を作成してみ
ました。GoLive
と同様にシンプルな操作感覚で楽々作業できて大満足。 仕方無く、今度は単独の FTPソフトを物色。検索結果をざっと眺めて FileZilla
というソフトが良さげです。ちゃんと日本語表示にも出来るとのこと。
↑左2/3が KompoZerのワークスペース
/ツールバーには必要にして十分なボタンが配置/清く正しい WYSIWYG/ iMac27の広大なディスプレイの画面左右に KompoZer と FileZilla
の画面をパラレルに並べて楽々作業。これまでに比べてサイト作成&アップロード作業がずっと楽しくなりました。 暫く確認していなかったら、いつの間にか GIMP
も新しいバージョン(2.8.18)がリリース(2016/7/14)されていました。あちらもアップデートしてみると
しましょう。きっとますます使い易くなっていることでしょう。 (※
特記するまでもありませんが、この日記は Kompozer
で作成し、FileZila で
アップしました)
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